11/28/2017

初めの一歩


28.Nov.2017     Unkei Exhibition


良い評価をいただいた時ほど、そこから抜け出すことは難しいです。

会期終了間際に滑り込んだ運慶展。

運慶の父や息子達などの作品を同時に並べることで、
異彩を放つ運慶の姿を浮き彫りにするものでした。

とても受け止めきれない余りある衝撃。

でも、受け入れやすい。

自分勝手な印象ですが、

他の仏師の作品が木綿なら、運慶の作品は絹のようでした。
しっとりとして滑らかで、軽くてモダン。
もっとも、比較対象があったからこそ感じたことなのですけどね。

背筋が伸びる思いがした日でした。






11/22/2017

木氣展御礼

18.Nov.2017    Woodsculpture

木氣展は無事終了致しました。
多くの方に脚を運んでいただけたことに感謝致します。


今回の展覧会では、感動したというたくさんの声をいただきました。
そのため、終わった時は安堵と嬉しさもありました。
しかし次の日に目覚めると、達成感や満足感というものはありませんでした。
ただ大きな感謝の気持ちだけが残り、何時もの時間に起き、
朝日を眺めたあとに個展の後片付けを淡々と始めました。

“水は方円の器に随う”(みずはほうえんのうつわにしたがう)といいいます。
四角い器に水を入れれば水も四角い形になり、
丸い器に水を入れれば水も丸い形になります。
このことから、人も環境や付き合う人次第で善くも悪くもなるという諺です。

僕は昨年の初夏に作り手として生きていきたいと覚悟を決めたとき、
安定・自立した生活を捨てて退路を断ち、畑の隅にある大きな木の下で始めました。

屋根も床も壁もない、一見厳しいとも思える環境。

しかし、自然の厳しさにもまれ、優しさに包まれることで、
己の傲慢さに気づかされました。

また、一人で何でもやりたい、できると思い込んでいましたが、
現実には何もできず、周りの人に支えられることで己の弱さに気づかされました。
「人間」とは「人」の「間」と書きますね。
自分は人と人との間で生きているのだと。

自然と人という大きな大きな器の中で、

水となった僕は一人の人間、一人の作り手としてもう一度作られた感じがします。
そのために、達成感や満足感がなかったのかも知れません。
あるのは感謝だけです。

ありがとうございました。


さてこれからですが、今回の経験からたくさんの宿題ができました。
組織から離れ、自由になれると考えていた生活に不自由を感じ、
自然という不自由な相手と向き合うことで自由を感じました。
表現は自分を出すことだと思い込んでいましたが、
それも進めるうちに自分が邪魔になっていきました。

自由とは何処にあるのでしょうか?
表現とは何なのでしょうか?

今はうまく言葉にすることはできませんが、
これからも探し続けたいと思います。
そして、また新しい自分となって皆さんにお会いできることを楽しみにしています。




10/22/2017

木氣展

2017,wood flowervase


日時  2017年11月13日(月)〜18日(土)
    12:00〜19:00(最終日は17時まで)   
    *詳細は未定ですが、期間中にトークショーの予定があります

場所  ギャルリーワッツ
    東京都港区南青山5−4−44 ラポール南青山103号
    地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線「表参道」B3出口から徒歩3分
    (赤レンガのマンション内)
    <MAP>

連絡先 03−3499−2662


在廊日 期間中全日在廊予定 

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今日もすごい嵐ですが、そんな最中に個展のご案内です。

タイトルは「木氣展(ききてん)。
“氣”は精神的な状態を表すほか、天地のエネルギー、つまり自分を取り巻く環境全てのエネルギーを表す意味もあります。
例えば瑞々しさや荒々しさ、内に秘めた静かな力まで、さまざまです。

前回の初個展から2年半、エネルギーの塊のような作品を作ることを目指してきました。
そんな想いを、木という素材の力を借りて形にした展覧会です。

内容は花器を中心として食器、さらには彫刻に初挑戦してみました。
来られた方が何かを感じ取れるような作品になっているのか、
ドキドキしますが、精一杯やるしかありません。

あとは何とか天候に恵まれることを祈るだけ。
皆さま是非お出掛けくださいね。












7/10/2017

木偶展



毎日暑い日が続きますね。
暑くて出掛けたくないと思っている方も多いかも知れませんが、
お出掛けのススメ情報です。

前川秀樹さんのワークショップ参加者の作品展「木偶の棒EXPOvol.2」のご案内です。
ごく普通の木の枝から作られた、様々な木偶(でく)が並びます。
本当に素晴らしい作品ばかりです!僕も作品を3つ出します。

会場はいつもワークショップが行われているギャラリー、DEE'S HALLです。
とても素敵なギャラリーですよ〜
期間中、僕は在廊しています。
ぜひ観に来てくださいね。

木偶ワークショップの様子です。
■前川秀樹さんのブログ
http://lolocaloharmatan.seesaa.net/category/4630227-1.html





6/30/2017

第8回 Table Marche!

27.june 2017      wood dishes 

梅雨なのに予報通りに雨が降ったり降らなかったりする日が続きますね。
作物の成長に影響がないか心配です。

さて、お知らせです。
“上野桜木あたり”で行われる「第8回 Table Marche!」に出展します。
えっ?、“あたり”って言われても何処なんですか?と言いたくなるところですが、
昭和初頭に作られた3軒の家を改装して作られた施設の名前です。
上野と谷中の間くらいに位置する散策するのがとても楽しいエリアにあります。

7/2(日)のみの出展になりますので、注意してくださいね。
僕はお皿を出しますよ。自分だけのお気に入りのお皿を選びに来てくださいね。
お待ちしています!

日時:7/2(日)10:00〜16:30
会場:上野桜木あたり
   東京都台東区上野桜木2丁目15-6あたり<MAP
   
   JR日暮里駅 南改札口から 徒歩約10分
   JR上野駅 公園口から 徒歩約15分
   東京メトロ千代田線 根津駅 1番出口から 徒歩約10分
   東京メトロ千代田線 千駄木駅 1番出口から 徒歩約10分
   *専用駐車場はありません。

「Table Marche!」Facebookページ






6/10/2017

にわのわ アート&クラフトフェア・チバ終了

3.june.2017     Niwanowa


千葉県佐倉市の佐倉城址公園で行われた、にわのわ アート&クラフトフェア・チバへの出展は無事終了しました。


暑い中、多くの方々に観ていただけたことに感謝申し上げます。
ありがとうございました。
ご感想は今後の糧としたいと思います。
お話しできなかった方も沢山いらっしゃいましたが、いかがでしたか?
展示ブースに来た方々は、頭の上に“?”が沢山あるのが分かり、
こちらとしても楽しむことができました。

今回中心となった僕自身初めての木の作品群は、

2015年の初個展の後、自分の向かっていきたい場所は何処なのかを考え続け、
形にしてみたものです。
それは“エネルギーの塊のような作品を作りたい”という思いからできました。

“エネルギーって何なんだろう?”
“自分が思うエネルギーの在り方ってどんな感じ?”

自分の中の沢山の“?”を表現してみました。
作品は見た目に分かりやすい色や割れなどのテクスチャーに目がいきがちですが、
それは表面的な問題で、自分が考えたことを観る人に伝える作品の芯の部分、
つまり造形(形と呼んだ方が分かりやすいでしょうか?)が最も重要だと考えています。

わずか2日間ではありましたが、観てくださった方々が作品を生き物や岩石のように感じたり、
それぞれ色んな捉え方をしているのを目の当たりにすることで、
自分が作る意味を確認できた気がしました。

11月には東京・青山のギャルリーワッツで個展を予定しています。
その頃にはこのエネルギーの塊はどう変化していくのでしょうか?
楽しみにしてくださいね。
また皆さまにお会いできれば幸いです。







5/18/2017

にわのわ アート&クラフトフェア・チバ



フェイスブックとインスタグラムでは既にお知らせしていますが、
6/3(土)・6/4(日)に“にわのわ アート&クラフトフェア・チバ”に出展します。
場所は佐倉城址公園という緑豊かな気持ち良さそうな場所です。

昨年からの試行錯誤が形となってお披露目するのはドキドキしますね。
出展するものは木の食器・花器を中心に、
電球を使った作品HusKなどがあります。

残り2週間しかないという考え方もありますが、
あと2週間あればまだ頑張れるとも考えられますね。
少しでも良いものをお見せしたいと考えています。
クラフトフェア直前になってしまいますが、一部を後でアップするのでお楽しみに。

にわのわ アート&クラフトフェア・チバ情報
 http://niwanowa.info/


3/14/2017

萌芽








5.Mar.2017     After the rain

冬の雨ほど苦手なものはないのですが、次の日の朝が冷え込んだ時はとても楽しみです。
朝日に照らされて溶けるまでの時間に色々なものが氷結して見えるその風景は、
僕には時間が止まっているような気がするからです。

さて、年明けからこの時期くらいまでは、毎年調子が悪い日が続きます。
去年から新しい作品に取り組んでいるせいか、今年はさらに憂鬱です。
でも、新しいことが出てくる前はいつもそういう状態になるので、
今回もそうに違いないと思って耐えてきたのですが、
ここ数日でやっと何かを匂わせるものが出てきました。

頑張れ自分!





1/29/2017

言い訳

17.Sep.2016     Tomioka Silk Mill

昨年から個展に向けて大きな作品を作ることで、
作り手としての器を大きくしようと試行錯誤してきましたが、
このところ全然進歩がありませんでした。
いつもある程度進むと、それ以上進められない。
こんな日々が続きました。
最初は、分かっていても技術的にも未熟であることからできないこともあり、
訓練をすればそのうちできるようになると思っていました。

そんな時に観た先日のラスコー洞窟の壁画の展示。

モノを作り出す莫大なエネルギーを感じて、
自分にはそれがないのかとも思いましたが、
どうやらそれだけではありませんでした。

大きな作品を作るためには、あらゆる面でそれなりの力が必要になります。
確かに始めはその力がなくてできませんでしたが、
少し前から、完成度はともかく大きな作品でも作りきる力がついてきていることを薄々知っていました。
それなのに挑戦をしないで今持っている自分の力で、
しかもできるだけ力を出さずに結果を出したいという自分がいました。
虫がよすぎますよね。
結果を出そうと意識するあまり結果を出さない。出すのが怖い。
いつの間にか、できない理由を自分ですり替えていました。

そんな時は、やっぱり後先を考えずに手を動かす。
つまり行動することが大事。
後になって考えたら別に大したことないって場合が沢山あるのかも知れませんね。





1/19/2017

精力

13.January.2017     National Museum of Science,Tokyo


上野の国立科学博物館で開催されているラスコー展に行ってきました。

久しぶりの感動ですね。鳥肌が立ちましたよ。

ええーっ!!
すげーっ!!
こんなもの見せられたら自分はどうなっちゃうの!?

迫力。涌き上がるエネルギー。創造性。

その時の感情は上手く表現できませんが、
どれをとっても圧倒され、高揚する自分がいました。

(余談ですが、同時に小学生の頃図鑑を見ては石器や弓矢や土器など作りたいと試行錯誤した記憶が甦ってきました。
骨格器は手羽元しか骨を手に入れることができなかったので諦めました。さらに、エジプト人の真似をして文字を勝手に作り、自分の印章を作ったことも思い出しました。)

興奮するのもよいですが、少しでも何かを得て帰りたい。
そう思うと、ヒントが沢山ありました。
芸術のはじまりという紹介がありましたが、
その完成度は今の芸術と比べても遜色は全くありません。
人が感動するものはいつの時代も変わらないと再認識しました。

僕もこんなものが作りたい!
年初めから良い気分です。

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展示に使われていた白黒アニメーションを作っていたのは誰なのでしょうか?
とてもかわいくてセンスが良かったです。
さすがフランス。





1/03/2017

2017初志

19.July.2016    Onbashira    Suwa Shurine.Nagano.Japan


あけましておめでとうございます。


2017年の始まりです。

今年は11月か12月に東京・青山のギャルリーワッツで個展があります。
前回の展覧会から約2年半。今度は木の作品になります。
その他はまだ決まっていませんが、
クラフトフェアなどにも出展ができればと考えています。
詳細が決まりましたらお知らせしますね。


さて、以前ラグビー日本代表元ヘッドコーチのエディー・ジョーンズさんが

こんなことを仰っていました。
“信念は自信に変わる”そして“自信を持ち続けるための正しい強化やトレーニングを続ける”
という内容でした。
自分のような人間にそんなことができるんだろうかと思っていましたが、
昨年はまさにこの言葉のような出来事が沢山おきました。

僕はモノを作る人間ですので、

その自信を見える形にできればと思います、、、
なんてカッコいいことを言いましたが、大変なことです。
それに、自分が自信を付けられたのも全て周りの人のおかげです。

昨年はあらゆる分野で活躍する方々の言葉を探しつづけました。

自分が考えていることや実際に起きていることを上手く言葉にできなかったからです。
また、自分がこうだ!と思い込んでいることが、
別の角度から見れば全く違う答えが出てくるのではないかと
自分を柔軟に変えたいと思ったからです。

そんな中で心に残ったこと1つをあげるとすると、

“遠くを見過ぎず、目の前のことを少しずつ積み上げていくことが後の成功に繋がる”
ということです。
成功がどういう形で出てくるかは分かりませんが、
まずは全てのことに感謝しながら一つ一つやっていきたいです。

そして年末に振り返った時に、

「何にも分かってないのに、よくこんなことが書けたな」
と思えたらいいと思います。